1 要旨
静岡県きのこ総合センター振興協議会(以下「協議会」という。)では、新しい魅力と価値を持った伊豆産原木しいたけの商品を開発し、新しい市場の開拓を目指すとともに、全国に向け情報を発信することを目的として、「第1回新価値ワーキング」を開催した。
これは、本年度協議会が農林水産大臣より交付決定を受けた食のモデル地域育成事業を活用した活動として実施したものである。(食のモデル地域育成事業については、林業普及情報H25-174を参照のこと。)
2 概要
⑴ 新価値ワーキングの目的及び概要
大学、加工食品会社との連携等、新たなしいたけの商品開発に向けた体制を構築する。開発したしいたけ加工品・シンボル料理については、全国に向け情報発信するとともに地域店舗において普及を図る。
本年度においては、日本大学食品栄養学科の協力の下連携体制を構築し、活動方針を決定する。
⑵ 第1回新価値ワーキング開催概要
・日 時 平成26年2月24日(月) 15:00~16:30
・場 所 伊豆の国農業協同組合修善寺営農センター会議室(伊豆市柏久保108)
・参加者
(ワーキングメンバー)
所 属 名 |
職 名 |
氏 名 |
備 考 |
田方椎茸生産組合連合会 | 副会長 | 勝又浩之 | 指導林家 |
〃 | 森野善長 | 〃 | |
伊豆椎茸商業組合 | 塩谷 正 | ||
伊豆の国農業協同組合 | 主任 | 松下千春 | |
伊豆市農林水産課 | 主査 | 梅原太郎 | |
静岡県東部農林事務所 | 主査 | 遠藤 淳 | 事務局 |
(協力者)
所 属 名 |
職 名 |
氏 名 |
備 考 |
日本大学短期大学部国際関係学部食品栄養学科 | 教授 | 室伏 誠 | アドバイザー |
3 内 容
アドバイザーとして参加していただいた室伏教授は協議会メンバーと面識がないことから自己紹介を行ったあと議題について検討した。会議の内容は次のとおり。
⑴ 食のモデル地域育成事業計画について
・東部農林事務所から事業の全体計画と新価値ワーキングの位置づけを説明した。
⑵ 新価値ワーキング体制について
・事務局でメンバー、アドバイザーを選定させていただいた。必要があればメンバー等を追加して運営してくこととする。事務局は、東部農林事務所が行う。
・しいたけを使用した加工品や料理を開発・普及することを目的とし、検討、試作等を行っていく。
・事業は5年間の計画であるが、平成26年度に加工品(又はメニュー)の開発、平成27年度に改良及び普及を行いたい。その状況に応じて平成28年度以降の事業を計画したい。
・平成25年度の事業としては、アンケートを実施し加工品(又はメニュー)として開発が可能な料理を調査したい。対象はしいたけ生産者の家庭、JA伊豆の国女性部会員及び日本大学の学生とする。
⑶ その他
ア 室伏教授(日本大学)からのアドバイス
・これまで「食」や「地域の活性化」に長く関わってきた。(月ヶ瀬梅組合、熱海ブランド等)地域に良いものはたくさんあるが、発信する方法が難しい。
・B級グルメは、だれでも知っている調理法でつくられることから、どのような付加価値をつけることができるかが勝負となり、特に難しい。事前の調査をしっかりやらなければならない。
・対象とするターゲット(年代、性別等)や施設(旅館、給食、レストラン等)を絞る必要がある。
・方法として、しいたけと他の食材とのコラボしたメニューという方法もある。
・しいたけは、真空パックやフリーズドライ等いろいろな方法で加工できる。
・まずどういう方向性で展開していくか決め、試作、検討を進めていく必要がある。そのために、地域の方々にアンケートを取り可能性がある料理を絞りたい。
・学生にテーマを与えて探索させると面白いものが見つかることがある。若い人から意見を聞くことは、ニーズを反映している点や若い人に食材の良さを知ってもらえる点でメリットがあるが、最初の段階で方向性を示す必要がある。
イ メンバーからの意見
・加工品にする場合、生しいたけはメリットが少なくそぐわない。乾しいたけを対象とするべきでは。(塩谷)
・加工品や食材の消費者は女性が多いことから、このワーキングメンバーに女性を加えてほしい。(森野)
・既存の料理ではなく、「しいたけハンバーグ」等既存の料理にないものを考える方がよいと思う。日本大学に協力してもらい学生等若い人の意見を多く取り入れてほしい。(勝又)
・流通している規格品のサイズよりも、特別に大きいもの等は意外に評価が高い。大きいしいたけのステーキはおいしい(梅原)
⑷ ワーキングの今後の活動
ア アンケート調査の実施
次に掲げる方々を対象として、しいたけ料理に関するアンケート調査を実施する。内容は5月中に取りまとめる。
(ア) しいたけ生産者(約100人)
伊豆市椎茸組合の総会の通知とあわせて生産者に送付し、総会(4月8日)に持参して提出してもらう。FAX、郵送、持参での提出も可。
(イ) 伊豆の国農協女性部(約20人)
事務局(伊豆の国農協)から部員に送付、回収を依頼する。
(ウ) 日本大学短期大学部の学生(約50人)
室伏教授に配布、回収を依頼する。
イ 第2回新価値ワーキングの開催
・平成26年6月頃に第2回ワーキングを開催する。
・メンバーは、今回のメンバーに女性等必要なメンバーを追加する。
・室伏教授にアドバイザーとして出席を依頼する。
・第2回ワーキングでは、実施したアンケートの取りまとめ結果を示し、方向性、加工品の種類、試作の方法を決定する。
ウ 加工品(メニュー)の試作
・第2回ワーキングの結果に基づき、平成26年度に試作を行う。
・原材料は、静岡県きのこ総合センター振興協議会が負担し、大学や農協女性部等に協力を依頼する。